恋でした

あんな軽いノリから始まるとは思わなかった


僕は君に恋をしていたんだ
気付いた時には
もう遅くて
遅すぎて
取り返しがつかなくて


でも
どう考えても
僕と君は上手くいかない
気持ちだけではどうにもならないこともあるんだ

別に不倫って訳じゃないけどね
人、1人を取り巻く環境や過去、現在、未来
色んなことを考えた

僕はこの状況をどうにも出来ないし
君にもどうにも出来ないだろう

やってみないととか
付き合ってみないと分からないとか
恋は頭でするものじゃないとか言う人がいるけど
そんなのは身勝手で独りよがりだ

結局は自分の幸せしか考えてない


ただ・・・
たった1度の人生だから
身を投じてもいいとも思った

けど・・・
僕は恋を恋だと伝える前に
身を引いた


どれ程の辛さかは
自分でも見当もつかなかった


これほどまでにか・・・


街で
風で
花で
月で
君を思い出す


あの日
君に悪戯に出会ったあの日を思い出す


「愛してるって言って・・・」
君はそう僕に言ったね

「あの人より私を好き？」と言ってたね
永遠に続く鈴の音のように


君はさり気なく
そんなことを久遠の空のように言う人だった


僕に残酷な未来を与えた人だった
僕に幸福な傷痕を残す人だった



さよなら

さよなら



会ったらまた傷が痛むから
思い出したらまた心が凍るから


さよなら

さよなら


君の残り香が消えるのは
いつなんだろう・・・